学院出版物紹介

 創立125周年(2009年)記念事業および以降の出版物をご紹介します。
 

■『五厘銅貨物語』(初版)
  2008年5月/B6版並製138ページ
■『五厘銅貨物語 増補改訂版』
  2010年5月
/B6版並製334ページ

 1906(明治39)年にウヰルミナ女学校を卒業し、結婚後、鹿児島に転居、鹿児島新聞最初の女性記者として活躍した濱田苔花(本名亀鶴〈かつ〉)が、連載小説として執筆したものを復刻しました。一個の五厘銅貨の目線で、庶民の生活が描かれています。「明星女学校」という名で登場する学校は、著者自身が過ごしたウヰルミナ女学校がモデルだと思われ、当時の学校生活や寮生活のようすが垣間見られる楽しい記録でもあります。増補改訂版は、同じく鹿児島新聞に掲載された30余編の小品と、貴重な資料に作品評価も加えたものです。

■『えのき茂る丘で 創立100周年記念寄せ書き集』
  2009年5月
/B5版並製152ページ

 1984年の学院創立100周年の際に集められた、同窓生や職員の思い出の文集です。最も古い方はウヰルミナ女学校の明治45年卒業生で、大正時代から昭和40年代までの女学校、中学・高校の卒業生62名から寄せられたものです。長く史料室で眠っていたものを125周年の記念出版事業の一つとして一冊の本にすることができました。当時の職員たちの記録もあります。詳しい学校生活の描写、学院の歩んできた道、折々の出来事、苦労の数々…時代を超えて学院への熱い思いが伝わってきます。

■『Life in Japan』(日本語版)
  2009年8月/A4版上製200ページ

 原書は1900年にアメリカ、カンバーランド長老教会により発行されたもので、「宣教師が見た19世紀末の日本の生活」という副題がついています。写真をふんだんに載せ、当時の日本の風物や日本人の生活、文化、習慣など多岐にわたって細かく観察し、描写しています。宣教師たちの働きやウヰルミナ女学校のようすも記されています。著者エラ・ガードナーは1893(明治26)年に若くして来日した女性宣教師で、ウヰルミナ女学校や和歌山県各地での教育と伝道に励みました。

■『Twenty-Five Years in Japan』
  2009年10月
/A4版上製366ページ

 本書は、創立95周年記念に『日本伝道25年』として出版した日本語訳の英語元版で、学院の創設にかかわったヘール宣教師兄弟の弟J.B.ヘールが残した、カンバーランド長老教会の日本伝道の記録です。史料室で長年にわたり異本の校合をして、今回の発行にいたったものです。

■『ウヰルミナ物語 大阪女学院創立125周年記念誌』
  2009年10月
/A4版並製160ページ

 三部構成で、第一部は、学院の歴史を写真や図録を通してふりかえり、第二部は、各分野で活躍中の2名の卒業生と学院関係者との懇談、第三部は、中学・高校・短大・大学の責任者からの学校教育の未来に向けての提言を掲載しています。

■『東雲の丘の学校 知ってください大阪女学院』
  2010年3月
/A5版並製72ページ

 30の項目にしぼって大阪女学院を紹介した、“大阪女学院入門書”として読めるブックレットです。各項目を見開き2ページに収め、わかりやすく簡潔な文章をこころがけました。学生・生徒、教職員が自校について学ぶために、また、この「東雲の丘」の地域の方々や、学院にかかわってくださる方々に大阪女学院をよく知っていただきたい、という願いを一冊に結晶させました。

■『祝福された手 宣教師ミセス・ドレナンの生涯』
  2011年12月
/A5版並製208ページ

 1884(明治17)年、53歳でウヰルミナ女学校初代校長に就任し、4年半を務めたほか、亡くなる前年までの約20年間を日本での教育活動や開拓伝道に捧げた女性宣教師の伝記、『HANDS AT REST : The Story of Mrs.A.M.Drennan’s Life and Work in Japan』(1904年)の日本語版です。読者の便宜をはかって、註釈や解説等も加えて編集しました。明治時代の大阪や三重における、市井の人々のキリスト教との出会い、宣教師とのかかわりを知る資料としても興味深く読めるものになっています。

■『東雲の丘の学校2 蒔かれた種が』
  2013年11月/A5版並製66ページ

 『東雲の丘の学校 知ってください大阪女学院』は、学院全体にかかわる事柄をオリエンテーション風に30項目のQ&A形式で説明したものでしたが、続く第2弾では、卒業生自身の言葉によって、「大阪女学院がどんな学校か」を浮かび上がらせようと試みました。明治22年卒業・ウヰルミナ女学校1期生から130年間の、10年ごと合計13世代にわたる卒業生の声を集めています。