キャンパス紹介

 
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南校舎 南門 北校舎 ウヰルミナハウス
ヘールチャペル 学院食堂 図書館 正門


 

玉造と大阪女学院 「東雲の丘」で120余年

 古代に勾玉(まがたま)などを製作する「玉造部(たまつくりべ)」がこの地に住んでいたといわれます。昔から交通の要所で、大阪から東に向かう街 道のい くつかがここを経由して奈良、八尾、信貴山方面に通じていました。現在、大阪女学院の近辺は、市の観光モデルコース「歴史の散歩道」になっており、難波宮 跡や大阪城、玉造稲荷神社や戦国大名細川家の「越中井」など、貴重な文化遺産が点在します。

 近年、「東雲町」という町名であった 時代がありました。「東雲」とは、夜明けの薄明かりの中、闇から光へと移行する夜明け前に、茜色に染まる東の空にかかる雲を意味します。この地域は上町台 地の東の一角で、昇る太陽や光を意味する町名は、西端の「夕陽ケ丘」という地名と対をなしていました。学院が大切にする聖書の「創世記」は、「光あれ。」 という神の言葉から始まります。その「光」は、昔も今も大阪女学院に降り注がれています。また、この校名にも「光の子」として世に輝いてほしいという思い が込められています。(「校名の由来」)

 この「東雲の丘」で明治のウヰルミナ女学校(大阪女学院の前身)の時代から、長い歴史を刻んできました(※)。 以来、多くの先人の労苦によって 築き上げられた校舎は、1945年6月の大阪大空襲ですべて失われ、現在の学院には、往時を偲ばせるものはほとんどありませんが、わずかに大阪城築城にゆ かりの 「刻印石」が残され、校地の東半分が加賀前田家、西半分が播磨国竜野の小出吉政(豊臣秀吉の母の妹の子)の屋敷であったと考えられています。

 (※)ウヰルミナ女学校が創設された場所は川口外国人居留地。玉造の校地の始まりには、学院のもう一つのルーツである大阪一致女学校の歴史もあります。(「校地の変遷」)

学びを支える“ウヰルミナの森”

「街中にこんなに緑いっぱいの学校があるんですね」。学院を訪れる方々から、そんな驚きの声がよくあがります。このキャンパスの豊かな緑は、戦災を乗り越えて、多くの人々の手によりかたちづくられたものです。

 大阪女学院は、ウヰルミナ女学校の時代から、花と緑を愛する学校であったようです。大正から昭和初期の卒業生が残した思い出の文章には、柿、桜、柳、榎、 泰山木、木蓮、椿、藤、バラ、…等々、数多くの木々や草花が登場し、まるで絵を描くように校庭の美しさを書きつづったものが少なくありません。

 そんな校庭は、第二次世界大戦下の1945年6月、大阪大空襲で焦土と化しました。全てを焼失した中から、生徒と職員たちによる文字通りの手作業によって、学校の復興と同時に校庭の緑化(植樹)が進められました。

 なかには戦災を辛うじてくぐり抜けた木もあります。チャペル東側にあり、校歌にも歌われる「古き榎」は、学校がこの地に移った当時からの木で、大きく茂 り生徒たちにも親しまれていました。ヘールチャペル南側にある「泰山木」とともに無惨に焼け焦げて、枯れてしまったと思われましたが、翌年には新芽を吹き 出し、復興の希望を与えました。

 先達が苦労して植えた樹々が時を経て成長し、豊かな緑したたる庭となったキャンパスは、現在もかかわる人みなの心で大切に守り育てられています。

 いろいろな小さな生き物の姿も心和ませてくれます。訪れる野鳥たちが学院の四季を彩ります。正門南側の噴水池ではカメがのんびり甲羅を干し、アオサギがじっと池の小魚をねらう姿も時折見られます。

 噴水池は創立80周年記念に、生徒・教職員の献金と労働奉仕によって作られたものですが、2009年には125周年記念事業の一環として改修されました。 池の周囲にウッドデッキを配し、小さな人工のせせらぎを設けて、その一角をリニューアルしました。学生・生徒たちが、日々の慌ただしい学校生活の中で、 ほっと一息を入れる心の備えの場として、活用されています。


聖書の言葉を掲げたアーチ

 正門と南門のアーチは創立110周年記念事業の1つとして設置されました。聖書の言葉にちなんだ葡萄の葉と果実のモチーフが配され、イースターの花とされている百合もデザインされています。アーチ外側にはラテン語、内側には英語で次の聖句が記されています。


正門:INITIUM SAPIENTIAE TIMOR DOMINI
     The fear of God is the beginning of wisdom.

    「神を畏れることは知恵の初め」

南門:VERITAS LIBERABIT VOS
     The truth shall make you free.

    「真理はあなたたちを自由 にする」 (ヨハネ8:32)

受賞歴

  • 大阪府施設緑化賞(緑の景観賞)最優秀賞(1992年)
    「校庭緑化のみにとどまらず地域における緑の景観にも寄与し、沿道緑化へ貢献しており、正門からの前庭や各建物間なども特色ある緑化がなされている」と評価を受けました。
     
  • BELCA賞受賞(ロングライフ部門)(2004年)
    ヘールチャペルと高校北校舎が表彰されました。BELCA賞は、国で初の既存建築物の総合的表彰制度で、適切な維持保全や優れた改修を実施した既存の建築 物のうち、特に優秀なものが表彰されるものです。「設計業者・施工業者・大阪女学院が三者一体となって点検・維持・修繕が丁寧に続けられた」と高く評価さ れました。
     
  • 大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)・特別賞受賞 (2007年)
    「長い歴史の中でキャンパスの整備が継続され、古い校舎は周到な意匠計画に基づく耐震補強で甦り、周辺の街並みと一体となって豊かな教育環境を形成している」と評価されました。
     
  • 第48回全国電気保安功労者経済産業大臣表彰 (2012年)
    電気保安に関し、保安運営体制の優良な者、管理体制の優良な者、保安教育の推進、安全思想の普及など、永年にわたり努力してきたものを経済産業大臣が表彰するものです。全国では29件が受賞し、学校法人については大阪女学院のみの表彰でした。