設立の経緯

 大阪女学院は、米国カンバーランド長老教会外国宣教局(ミッションボード)によって、1884(明治17)年、大阪湾に面した川口外国人居留地にウヰルミナ女学校として誕生しました。1945(昭和20)年の戦災によって壊滅的な打撃を受けたものの、その後、幾多の困難を乗り越えて復興を果たしました。学制改革によって1947(昭和22)年に新制中学校、翌年に高等学校がそれぞれ再スタートし、1968(昭和43)年に短期大学、2004(平成16)年に大学、さらに2009(平成21)年には大学院を開設して、今日にいたっています。

 

 このような学院の歩みを記した出版物は、1954(昭和29)年に発行された創立70周年記念小冊子『写真でみる学院史』が最初です。以後、『大阪女学院100周年記念誌』(1984 年)、『大阪女学院短期大学20年の歩み』(1987年)、『ウヰルミナ物語 大阪女学院創立125周年記念誌』(2009年)が発行され、記念誌編纂の取り組みは一定の成果を上げてきました。

 

 しかしながら、これらはいずれも単年度の取り組みに終わり、それを契機に歴史資料を掘り起こし、収集・保存し、学院の教育を検証する、学院挙げての組織立った取り組みにいたることはほとんどありませんでした。

  2011年4月、学院教育研究センターが設置されました(2014年、現在の名称に変更)。従来から存続する学院史資料室の役割を吸収し、これまでの歩みに学びつつ、さらにキリスト教学校としての学院教育の理想、基盤(アイデンティティ)、そしてそのめざすべき方向や現代的な使命(ミッション)を明らかにすることが、センターに課せられた役割となっています。