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2016年11月の書籍紹介

新刊

『アクティブ・ラーニングを考える』

教育課程研究会(著)|256ページ|2,160円
東洋館出版社(2016年9月)

「アクティブ・ラーニングとは何か」という問いが、教育界の大きな話題となっている。しかし、本書のタイトルは「アクティブ・ラーニングを考える」である。「この指導法を実践すればアクティブ・ラーニングであるという考えをもつより、まずは『学習者』を中心として考え、彼らがどのように育つか、そのための1つの方法が『アクティブ・ラーニング』であることを多くの方々に伝えていきたい」と「刊行に寄せて」で紹介している。

 本書は、文部科学省職員、中教審委員、研究者等が「主体的・対話的で深い学び」を実現するため、「なぜ、アクティブ・ラーニングなのか」ということを軸に内容を構成して執筆している。

 巻頭に掲載のOECD 教育・スキル局長アンドレアス・シュライヒャー氏の「生徒が変わる、学校が変わるアクティブ・ラーニング」は示唆的である。「教えやすかったり、評価がしやすい能力ほど、簡単にデジタル化や自動化できたり、また外部に委託することができる。これは、教育者が直面するジレンマである。今の子供たちは、学校の課題のほとんどをスマートフォンの助けを借りてすぐにこなすことができる。子供たちをスマートフォンよりも賢くしたいというのであれば、我々は学んだことを子供たちがそっくり再生できるかどうかという次元を超えて、子供たちが既知のことから推測をしたり、経験したことがない状況で知識を創造的に活用できたりするかどうかといった視点から物事を見ていかなければならない。」一読を勧める。

新刊

『英語で教える英語の授業: その進め方・考え方』

望月 正道 (著)|224ページ|1,944円
大修館書店(2016年9月)

新学習指導要領では中学校の英語教育も原則英語で行うと明記されるようである。やみくもに英語でやればいいというものではないだろう。本書は、「英語で授業」は授業改善の第一歩としている。

第1 章「英語で授業」についての悩みでは、

「英語が苦手な生徒にも英語で授業をしなければいけないか」

S 市のある高等学校。A 教諭が教室から戻ってくるなりため息をついた。「少しでも教科書の内容がわかるようにと, 穴埋め式の日本語訳プリントを作って持って行きました。空所には先に確認した単語の意昧を入れるだけの簡単なものです。それなのに,居眠りする生徒が何人もいる始末です。」隣のB 教諭が応じた。「日本語でさえ理解するのがやっとなのに,英語で授業なんて無理だよな。」C 教諭も,我が意を得たりという顔をして続ける。「そもそも学習意欲の低い生徒には, 日本語で説明しないと高校の英語なんて理解できませんよ。」

解説に、

サッカーがしたいという子どもに,ボールの蹴り方や止め方を口頭で解説するだけで,実際にボールを蹴らせなければ,どんなに意欲のある子どもでも,興味を失ってしまうことでしょう。英語を学ぶ生徒も同じです。彼らは英語をコミュニケーションの道具として使ってみたいのです。コミュニカティブ・アプローチでよく言われる, learning by doing という方針を取り入れることが,学習者の意欲を高める鍵だと言えます。

明示的な文法解説や日本語訳だけの授業では,生徒の意欲向上にはつながらないのです。学習意欲が低い(ように見える)生徒は,大量のルール理解や暗記があまり得意ではありません。こうした生徒の動機付けに効果的なのは,英語に触れさせ,実際に使わせ, こうして勉強(練習)を続ければうまくなるのだ, と実感させること以外にないと思います。

日本語による解説中心の授業から,英語使用を中心としたインプット,インテイク(インプットを取り込む練習) ,アウトプットのバランスが取れた授業に変更しましょう。教師が英語によるインプットを与えることが,生徒の学習意欲向上につながります。教師が英語使用者としてのモデルを見せることにより,生徒の心の中に,あのように英語を使ってみたい,という気持ちが芽生えてきます。ただし,インプットは生徒にとって理解可能なものでなければいけません。

Model or Mime         ジェスチャーや視覚的補助(絵,写真)を用いて話す。

Example               抽象的な内容は具体例を使ってわかりやすくする。

Redundancy            同じ内容を説明するのに,別のわかりやすい表現を使ったり,

                      発想を変えたりして重ねて話す。

Repetition            大切な内容や文は繰り返しながら話す。

Interaction           発問などを通して,生徒とやりとりじながら話す。

Expansion             生徒の発話の誤りを言い直して伝えたり,より良い表現に変え

                      て伝えたりする。

Reward                生徒の発話に対して積極的な評価を言葉で与える。

と、MERRIERアプローチを紹介したりしている。

 執筆陣にはこれまで英語で授業を行ってきた現役の高校教師も含まれ、どのように取り入れたらよいか、どのように考えたらよいかを整理し、具体的な英語での授業のやりとり、活動例、指導案、評価の考え方などを提案している。教員個人によって、アプローチは異なるだろうが、参考にされてはいかがだろうか。

 

 

新刊

『イメージでわかる表現英文法 (「英文法の本質」をビジュアルで解説)』

田中 茂範(著)|301ページ|1,620円
学研プラス(2016年6月)

田中茂範氏は同類の書籍をたくさん出しておられる。本書はこれまでの内容を分からすく整理している。本書の売りは、

  • 英文法の本質(コア)をビジュアルで解説している
  • 意味の似た語や文法の違いを解説している
  • コア学習で英文法の「なぜ?」が理解できる
  • 「話す」「書く」ための文法力(表現力)が身につく

である。

「動名詞と不定詞」では、

いわゆる「準動詞」を扱います。なかでも,特に,中学・高校で習ったであろう「動名詞とto 不定

詞の使い分け」に重点を置いて説明していきます。

「この動詞の後ろはto do なの? それともdoing なの? J」という問題を解いた記憶がありますね? 「enjoy の後ろは必ずdoingになる! 」 のように丸暗記で乗り切ったという人も多いのではないでしょうか。残念ながら, これだとto 不定詞と動名詞を使いこなすことは難しいのです。ではどうするか一一コアですよね。でもその前にまずはこの2 つの使い分けに関する従来の学習を握り返ってみましょう。

従来の学習:to 不定詞の「名詞的用法」と動名詞はどちらも名詞のはたらきなので,互いに書き換えることができる。

それでは次のクイズを

次のⓐⓑの文は「フルートを吹くことが私の趣昧です」という文ですが,ネイティブはどのように使うか,

下の1 〜3から選びましょう。

ⓐ To play the flute is my hobby.

ⓑ Playing the fruit is my hobby.

1 どちらもよく使う。

2 ⓐは使うがⓑは使わない。

3 ⓐは使わないがⓑは使う。

このような説明などで、両者の違いをわかりやすく説明している。文法説明が苦手な方には一読を勧める一冊である。

新刊

『VS英文法』

キャサリン・A. クラフト(著)|211ページ|1,296円
学研プラス(2016年4月)

「A vs B」という対戦形式で、日本人の間違えやすい英文法や英語表現の使いわけを紹介する新感覚の文法の読本である。たとえば、a/an vs theでは、

ポイント:「特定できるかどうか」がポイント

a/an とthe の基本的な考え方は以下のとおり。

a/an: one of many (たくさんあるなかのひとつ・特定されない)

the :one and only (ただひとつ・特定される)

a/an は、それと特定できない「数えられる名詞」の単数形につきます(例: a star) 。対して、the は、それと特定できる名詞につきます(例: the sun) 。何を指しているのか、相手にわかる場合には the を用いると言い換えてもよいでしょう。the は「数えられる名詞」の単数形にも複数形にもつくし、「数えられない名調」とも結びつきます。

(例: the apple on the table/the apples on the table/the apple juice on the table)

これだけの解説なら、授業でそう役に立つと思われないが、簡単なexerciseが付いていて、これは重宝するかもしれない。

1 この辺にホテルはありますか?

  Is there (a hotel/the hotel) around here?

2 駅で落ち合いましょう。

    Let’s meet at (a station/the station).

3 小包を取りに、郵便局に立ち寄った。

    I stopped at (a post office/the post office) to pick up a package.

4 ランプは、電球の交換が必要です。

    The lamp needs (a new light bulb/the new light bulb).

5 飛行機が竪落する直前、パイロットが遭難信号を送信したので、全員が助かった。

Everyone survived because the pilot sent (a SOS/an SOS) right before the plane went down.

確認小テストなどに使えるのではないか。

 

新刊

『イメージと語源でよくわかる 似ている英単語使い分けBOOK』

 清水建二、 すずきひろし(著)|477ページ|1,944円
ベレ出版(2016年7月)

たとえば、「受け取る」この翻訳語に対応する英語は、

accept/receive/take/catch/haveなどとありますが、適当な単語はどれなのでしょうか。

①The machine only (receives/accepts) 10p coins.

  (その機械は10ペンス硬貨だけしか受けつけません)

②We did (receive/accept) your offer, but did not(receive/accept) it.

   (確かにオファーは受けましたが承話はしませんでした)

accept:f(贈り物などを快く)受け取るJ 「( 招待・申し出・提案などを積極的に同意して)受け入れるj 意味の動詞、機械やシステムがものを受けつけるということも表す。一方receive は、特に望んでいるわけでもなく、人が手紙や贈り物などを受け取るという単なる物理的な行為を表す動詞で、「受け入れる」意昧は含まない。ただ、様態を表す副詞(句)とともに、主に受動態で、accept と同じ意昧を表す。The product was well received. その製品は高く評価された。

take: 「(差し出されたものを)受け取るj」のが基本ですが、代金や賃金としてお金をもらうことや、忠告を受け入れる意昧でも使われる。

She took my advice and did not drop out of school.

catch:「動いているものを捕まえるJ という意味なので、「(動いているもの・ポールなど)をつかむ、受けとめるJ という意味で使われる。

have:「(手術__治療・授業など)を受ける」や「(情報・援助・物などを)を受ける、受け取る」に使う。自分の空間に持っていたり持ち込んだりすることを意味する。

と説明されている。英単語の使い方、意味合いを確認でき、翻訳語として覚える語彙力増強の限界と有益のなさを再確認できる。

 

旧刊

“The Story of Ferdinand”

Munro Leaf (著), Robert Lawson (イラスト)|32ページ|538円
Grosset & Dunlap(2011年3月)

ストリーは、「スペインの農場の子ウシたちは、闘牛場で戦うことが夢だった。ところがフェルディナンドだけは、ひとりで静かに花のにおいをかいでいることが好きだった。ある日、蜂にさされて暴れまわっているところを見られ、闘牛場へ連れていかれることに。でも彼は、激しく戦うことはせず、見物に来た女性の美しい花を見てうっとりしてしまった。すぐに闘牛場の真ん中に座りこみ、花のにおいをかぎはじめたのだ。静かに、だがしたたかに、平和を訴えた絵本として長く読み継がれている絵本。自分は自分、と個性を持って生きるフェルディナンドは、ほかのウシや人間の誰よりも、満ち足りた表情をしている」

という単純な展開である。

 これは、NHKのテレビ番組「戦艦武蔵」の中で、戦争の愚かさを伝えようとしていた将校が部下に聞かせていた物語である。

 “After a while Ferdinand grew into a big, strong bull. All of the other bulls in the field still ran around and butted their horns together. What they wanted more than anything in the world was to be chosen from the big bull fights in Madrid. But not Ferdinand, he preferred to just sit quietly and smell the flowers.”

この “But not Ferdinand”があとにも出てくるが、なんとも言えない心の強さを伝えてくる。「だけど」と言える自分でありたいと思う絵本である。

 

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