資料請求

書籍紹介

アーカイブはこちら

2017年9月

旧刊

『アドラー心理学でクラスはよみがえる~叱る、ほめるに代わるスキルが身につく』

野田俊作、萩昌子|141ページ|1,400円
創元社(2017年1月)

 小学校5年生の息子の口から小学校に入学以来、この言葉を初めて聞いた。「学校が楽しい。」今年の担任の先生はなんだか今までと違うぞ、と感じたのは、春の土曜参観の時。先生が児童の心をつかんでいる。先生が1人1人をしっかり見ている。先生が子供たちととてもいい関係を築いている。その先生の学級通信で見つけた言葉が「アドラー心理学」だった。フロイトやユングといった心理学者の名前は知られているが、アドラーも彼らの同僚であり、欧米では『心理学の三大巨頭』と呼ばれているこの3人だが、アドラーの名前だけは日本ではあまり知られていないのが現状だ。オーストリアのユダヤ人精神科医アルフレッド・アドラー(Alfred Adler, 1870~1937)の思想と方法は、彼の弟子のドルフ・ドライカースによって継承発展し、学校や家庭で実践可能な体系にまとめられた。

 本書で述べられているのは、教師がどのような方針で子供たちに接することが望ましいのか、ということである。主な内容は、まず、クラスは「競争原理」ではなく「協力原理」に基づくマネージメントであること。また、問題が発生した場合は、問題の原因を探る(=過去に目を向ける)のではなく、未来の目的に向かって考えること。子供たちをほめるのではなく、勇気づけをする(encourage)こと。そして、クラス全体を教育共同体として運営すること、などが述べられている。具体的な子供への声掛けやイラストを使用したポイントやアイデアのまとめがあり、一般論的になりがちなアドバイスをより具体化した形で示している。主に小学校の先生を対象としているように感じるが、中学や高等学校、もしかすると大学生や家庭で子どもに接する際にもヒントになるアイデアが示されているのかも知れない。 (文責 大塚朝美)

2017年8月

旧刊

『教育の再定義 』 岩波講座・教育 変革への展望1

編集委員:佐藤 学・秋田 喜代美・志水 宏吉・小玉 重夫・北村 友人|304ページ|3,456円
岩波書店 (2016年4月)

 近年の、グローバル化や情報化、少子高齢化など社会の急激な変化に伴い、高度化・ 複雑化する諸課題への対応が必要となっており、学校教育においても、求められる人材育成像の変化への対応が喫緊の課題となっている。戦後70年の教育を振り返れば(1)“子どもの発達”の概念を軸に、社会の進歩を先取りする役割を担ったころ(戦後―高度経済成長期)(2)教育神話の虚偽性が顕わとなり、教育や学校が告発・批判された時代(高度経済成長終焉(しゅうえん)―90年代)(3)そして今、これまでの教育とは異なる意味での教育の在り方を再構築・再定義する時と思われる。

 「岩波講座教育変革への展望」(全7巻)は、混迷の中にある教育現実に問題解決の多様な糸口を指し示し、子どもと日本社会の希望を照らすことを願っての刊行である。各巻は、(ア)提供する知識の“先進性”(イ)専門的知識の“実践性”(ウ)探究・実践の“当事者性”(エ)議論の“科学性と実証性”(オ)探究・政策化する“グローバル性”の五つの方針に則して編集されている。

 本書は、この講座の第一巻。現代の教育の新しい意味を、社会の変化を見据えて捉え直し再定義する。5人の編集委員が各章を分担執筆して問題提起し、重要なテーマに即して、その分野の専門家・研究者と対話する特別編集となっている。この夏、腰を据えて読みたい一冊である。(文責 中垣 芳隆)

 

2017年7月

旧刊

『空気を読んではいけない』

青木真也|155ページ|1,296円
幻冬舎(2016年9月)

著者は総合格闘技のプロである。

「欲を整理できない人間が、何かを成し遂げることは永遠にない」

「勇気を持って、誰も進まない道を行く」

「幸せな人生を生きるために友達はいらない」

「皆にとって価値あるものが自分にとって価値があるとは限らない」

・・・・、刺激的な言葉が並ぶ。

読み終えるといつもなら無造作に本棚へ投げ入れるのだが、この本はなぜか今も枕元にある。時々さっと目次だけ見る。共感できる部分とできない部分が交錯する。そのことで自分自身の“あいまいな部分”を見透かすことができるからであろうか。命をかけて戦う著者、戦う直前には極度の恐怖に慄くそんな著者ならではの率直な記述がそうさせるのであろうか。引き込まれる何かがある。 文責 森 均

Scroll To Top