資料請求

機関誌

これからの英語教育の改善・充実方策について

 文部科学省が公表した小中高等学校を通じた英語教育改革を計画的に進めるための「英語教育改革実施計画」(平成25年12月)、英語教育の在り方に関する有識者会議が報告した~グローバル化に対応した英語教育改革の5つの提言~(平成26年9月)などを踏まえ、次期学習指導要領案の英語教育改革構想が検討されている。校種ごとにおける主な教育目標は、

  • 小学校中学年:活動型・週1回35コマを学級担任を中心に指導し、コミュニケーション能力の素地を養う。
  • 小学校高学年:教科型・週2回70コマを英語指導力を備えた学級担任に加えて専科教員の積極的活用して行い、初歩的な英語の運用能力を養う。
  • 中学校:授業を英語で行うことを基本とし、身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う。
  • 高等学校:授業を英語で行うとともに、言語活動を高度化(発表、討論、交渉等)する。幅広い話題について抽象的な内容を理解できる、英語話者とある程度流暢にやりとりができる能力を養う。

としており、小・中・高の各段階を通じて英語教育を充実させ、生徒の英語力向上目標を高校卒業段階で英検2級~準1級、 TOEFL iBT57点程度以上等に設定している。今後、中央教育審議会での検討を経て学習指導要領を改訂し、2018年度から段階的に先行実施し、東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせて2020年度から全面実施するとしている。
中学校や高等学校においては、ディスカッションやディベート(を取り入れた)授業が求められる。絵に描いた餅に終わらないだろうかと危惧する。というのも、中学校・高等学校の英語教員の英語力は国が想定しているレベルには達していない。全国の公立中学・高校の英語科教員で英検準1級以上に相当する資格を持っているのは、2014年度調査では中学で28.8%(目標50%)、高校で55.4%(目標75%)だった。
こうした実態に対する対策として、日本経済新聞朝刊(平成28年1月6日)によると、『高校や中学の英語教員の語学力を高めるため、文部科学省は早ければ2018 年度から、全国約400の大学で基礎的な授業内容を共通化する方針を決めた。「話す」「書く」力を強化することに重点を置き、英語で討論するディベートの授業や、自らの考えを英語で表現する授業を大幅に増やす。』とある。そこで、教員免許状を取得できる大学の学部・学科で、共通して学ぶ基礎的な授業内容を「コアカリキュラム」として定め、たとえば、「話す力の強化策の一つとして、時事的な話題に関して肯定・否定に分かれて討論するディベートの授業を増やす。中高生の授業でディベートを実施できるよう、模擬授業の必修化」を検討しいている。生徒の英語力の向上だけでなく、英語科教員の英語力の向上を英語教育改善計画の重要課題とし、大学における教職課程の改善を求めている。他の教科科目に関してはこのような改善策はあまり聞かないが、英語教育にはつねに教員の能力についてその向上が求められている。もちろん、確かな英語力は英語科教員の必須能力である。しかしながら、英語教育はそれだけに留まらない。「心を開く教材 」として学習者の内面に入り込む教材・体験的教材、学習者の個性を引き出す「創造性ある教材」、学習者の未知の事項を扱う「好奇心を旺盛にする教材」、温かい人間関係を築く「感情的にいい気分にさせる教材」を開発作成する能力なども大切である。本学では、英語力の増強と共にそうした教員としての資質・能力の育成も図りたい。

教員養成センター長 中井 弘一

 

大阪女学院大学 教職課程機関誌 OJU教職活動報告・研究 Vol.6

目 次

OJ6

巻頭言 これからの英語教育の改善・充実方策について

Ⅰ 2015年度活動報告

  1. 平成27年度夏季教1-1員免許状更新講習1
    「発信型の英語コミュニケーション能力の育成」 icon_spdf
  2. 平成27年度夏季教員免許状更新講習2
    「指導技術スキルアップ演習」
     
  3. 授業デザインスキルアップ演習
    「アクティブ・ラーニングとは何か、その方略を考える」
     
  4. 2015年度勉強会「英語の教え方教室」報告 
    • 第36回 勉強会「英語の教え方教室」「日本語と英語の発想の違いを認識した文法指導の在り方」
      兼第3回「英語の教え方教室」合宿in名張
    • 第37回 「スクラップブック・プロジェクト−英語嫌いの高校生を支援する取り組み−」
    • 第38回 「新しい英語教室の創造:“反転授業”の理論とその実践」
    • 第39回 「教職フィールドワーク(英国) 報告・課題研究発表in English」
    • 第40回 「私の授業実践――自己効力感を高めたい『英語表現Ⅱ』」
    • 第41回 「生徒の英語力を鍛える―小テスト・定期テストなどの問題づくり、授業での問いかけの工夫―」
    • 第42回 「中学生の英語の学びを促進するために―『よくわかる』『楽しい』『学習意欲』(卒業論文発表)」

Ⅱ 教員養成センター・ホームページ報告

  1. 月別HPアクセス件数推移(2015年1月~2015年12月) 
  2. 英語教育 巻頭リレー・エッセイ(2015年2月~2016年1月) 
  3. 書籍紹介 (2015年2月~2016年1月) 

Ⅲ OJU教職ネットの1年

  1. ML配信記録配信件数推移(~2015年12月) 
  2. 教職ネット登録について

Ⅳ 教職課程活動報告

  1. 教職サークル活動報告 
  2. 学生授業課題レポート:「英語科教育法Ⅰ」・「英語科教育法Ⅱ」 
    • 「オーラル・メソッドは役に立つ指導法か」…豊福 良子
    • 「指導案と授業の進め方・教員にとっての指導案と指導案が授業にもたらすもの」…芦谷 愛
    • 「ヒューマニスティック・アプローチは役に立つ指導法か」…大西 晴日
  3. 教職フィールドワーク(英国)報告・レポート 
    • 「マナースクールでの授業観察」…重川 遥香
    • 「マナースクールの授業を通して」…豊福 良子
  4. 教育実習報告・レポート 
    • 「教育実習を通じて考えた課題とその解決に向けたビジョン」…戸田 浩美
  5. 教員採用試験合格体験記  

Ⅴ 教職専修Graduation Project

VI 実践記録・実践報告・授業研究ノート

■実践記録

  1. コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱにおける授業改善の試み 
    三重県立名張高等学校教諭… 岡本 泰
  2. 探究活動のまとめとして、英語プレゼンをどのように改善するか 
    ~How Can Students Make an Effective Presentation on Their Research? ~
    兵庫県立尼崎小田高等学校教諭…二森 正人

■自由論考(授業研究ノート)

  1. 英語授業におけるアクティブ・ラーニングの一考察 
    本学教授…中井 弘一

資料 教員養成センターNewsletter 2015

  • 第21号
  • 第22号
  • 第23号
  • 第24号

投稿規定

編集後記 

バックナンバー

●大阪女学院大学 教職課程機関誌 OJU教職活動報告・研究 Vol.5

●大阪女学院大学 教職課程機関誌 OJC教職活動報告・研究 Vol.4

Scroll To Top