大学教育・学生支援推進プログラム(学生支援GP)
大学教育・学生支援推進事業(学生支援推進プログラム)テーマBに係る取組として大阪女学院大学と大阪女学院短期大学の共同実施による「戦略的就職 支援システム導入による就職サポートサービスの充実化」が、平成21(2009)年度に選定され、2009年度から2011年度の3か年に渡り、取り組ん できました。
≫「大阪女学院大学及び大阪女学院短期大学 学生支援推進プログラム自己点検評価報告書」
引き続いて、この成果を基に学生一人ひとりを大切にした就職サポートサービスの充実に全学を挙げて取り組んでいます。
大学教育・学生支援推進プログラム(学生支援GP)テーマBとは?
大学教育・学生支援推進事業(学生支援GP)は、文部科学省が、各大学等から申請された、学士力の確保や教育力向上のための取組の中から、達成目標を明確 にした効果が見込まれる取組を選定し、広く社会に情報提供するとともに、重点的な財政支援を行うことにより、我が国の高等教育の質保証の強化に資すること を目的としています。
このうち、テーマBは、「就職支援の強化などの総合的な学生支援」に係る取組を対象としています。
本学の「学生支援推進プログラム」について
1884年に創立されたウヰルミナ女学校草創期の女性校長のアグネス・モルガンは、ウヰルミナ女学校の教育の目的についてこう書き記しています。
「すべてに於いて私たちが目指すことは、なんらかの方法で働く義務を悟り、正直に仕事をすることを誇りとし、日常生活の雑事を越えて、物事を見抜く力のある人間を形成することです」
以来、どのような時代も大阪女学院は、前身であるウヰルミナ女学校のこの理念を受け継ぎ、社会で積極的に働く女性を送り出してきました。 また、創立以来、それぞれの時代の状況の中で徹底し続けようと努力し、大切にされてきた教育姿勢があります。独立した人格として、社会や世界の出来事に問 題意識を持ち、交わる人々の人格を尊重しつつ、自らは責任の主体として立つ女性の育成です。それは、人間を超えた存在に気づいた上で、他者の問題を自らの 問題として受けとめることのできる、互いの人格をいわばいのちを軽んじない教育でした。
大阪女学院大学および大阪女学院短期大学は共に、大阪女学院の前身であるウヰルミナ女学校以来のこれらの理念を受け継ぎ、キリストの教えを基盤に真理を探 究し、自己と他者の尊厳に目覚め、確かな知識と豊かな感受性に裏付けられた洞察力を備えた、社会に積極的に関わる女子学生の育成に努めてきました。数多く の卒業生が、様々な場で活躍しています。今、社会や経済状況の変化がめまぐるしく、何が大切であるかが見えにくい状況にあるからこそ、「出会う人々の人格 を尊重しつつ、自らは責任の主体として立つ、社会に積極的にかかわり働く女性を世に送り出す」使命の重要性はさらに高まっています。
一方で、経済状況の急激な変化により、就職環境は、日々、厳しさを増しています。大学および短期大学とも2008年度までは100%、2009年度は大学 95%、短期大学は94%の高い就職率をあげていますが、自らの就業意識を明確化し、困難な状況の中でも、一人ひとりが、日々の学習を通して、鍛え、考 え、抱いてきた志を大切にできるよう、本学は、この度の取組によって、学生一人ひとりに対応したよりきめ細やかな就職支援体制を構築し、力強い支援を進め てゆきます。
平成21年度大学教育・学生支援推進プログラム(学生支援GP)テーマB選定事業
「戦略的就職支援システム導入による就職サポートサービスの充実化」
取組の概要
大学生の就職環境が流動化する中では、従来にも増して一人ひとりの就業意識が問われることになります。意識、志向の異なる学生に対して、個々人の就業意識 の形成を援助するためには、よりきめ細やかな就職活動支援が必要です。単なる就職情報の提供にとどまらない、就職支援スタッフと学生各人間の情報の共有と 双方向に情報の交換を可能にする戦略的な「就職支援システム」を整備する所以です。学生データ、企業データを統合的に管理して学生、就職支援スタッフが情 報を共有するとともにリアルタイムの情報提供と時期を逸しない面談等個々人への指導を通して、以下の成果を目指します。
- 低学年次の学生を対象に職業意識の醸成を支援して、最終学年度のスムーズな就職活動へと導入する。
- 日々変化する学生の希望進路や就職活動の進捗状況を正確に把握するとともに本学独自の就職関連情報を個々の学生のニーズに応じて提供し、きめ細やかに就職活動をサポートする。
事業の内容 [平成21(2009)年度]
- キャリアサポートセンター内のPCおよびLAN環境の整備を行い、キャリアサポートセンターの老朽化したPCとLAN環境を更新して、新就職支援システムの環境を整えました。
- 新機能を学生の就職支援にどのように活用できるかを把握し、本学における就職支援の取組改善に反映させるため、現行の基幹システム「Campus Core 21」を補完した高機能な就職支援(スタツフ、学生双方向、リアルタイムの情報提供等)を実現するパッケージソフトを整備しました。
- 新システムを導入し、システム共用を始めています。大学3年生、短大1年生に対象をひろげて、本格的に次年度の就職活動支援を展開する体制を実現しました。
- 大学1・2年生を対象にしたセミナーに加え、この未曾有の就職状況の中で活動する学生を支援するために3・4年生の「就職支援セミナー」を開催し、在学中に培った知識・技能を就職活動に応用することができるよう言語分野・非言語分野の研修を実施しました。
- この未曾有の就職状況の中、学生を支援するため、短期大学1年生のためのセミナーの開催の対象を広げ、1・2年生を対象とした「就職支援セミナー」を開催し、在学中に培う知識・技能を就職活動に応用することができるよう言語分野・非言語分野の研修を実施しました。
事業の成果 [平成21(2009)年度]
- キャリアサポートセンター内のPCおよびLAN環境の整備で、学生の就職活動状況をリアルタイムにスタッフが共有することが可能になり、より高度な就職支援サービスを提供する体制を整えることができました。
- 高機能な就職支援を実現するパッケージソフトを整備することにより、就職支援事務全般の取組改善が進み、学生指導と学生サービスの向上につなげることが可能になりました。
- 戦略的就職支援システムを導入することにより、従来は4システム(大学基幹システム、ウェブ教育システム、学内ウェブメール、携帯電話情報サービス)で運 用していた学生サービスが新システムに一元化され、業務省力化で新たに生み出される時間を学生のカウンセリングに向けることが可能なうえ、個々の学生の就 職活動進捗管理や学生・スタッフ間の双方向コミュニケーションの向上が図られる体制を整備できました。
- および5.
大学生、短期大学生向けの「しごとセミナー」により、就業意識の醸成を進めることが出来たことに加え、この未曾有の就職状況の中で活動する学生を支援する ため、大学3・4年次、短大1・2年次を対象に「就職支援セミナー」を開催し、在学中に培った知識・技能を就職活動に応用することができるよう言語分野・ 非言語分野等の特別研修を行った。言語分野・非言語分野・文章表現力等について在学中に培った力を応用、発揮できるようになりました。
事業の内容 [平成22(2010)年度]
- 新システムへのデータの入力等を進め、新システムへの年内完全移行を目指しています。
- 依然改善の様子が見えないこの就職状況の中で活動する学生を支援するため、就業への動機づけを強める「しごとセミナー」の実施やインターンシップへの参加 促進に加えて、学部の3・4年生、短大の2年生を対象に、ビジネスの実務経験が豊かな複数の本学の専任教員も指導者として加わり、前年度の取組から規模を 拡大して「就職支援特別セミナー」を継続的に実施し、在学中に培かう知識・技能を就職活動に応用することができるよう言語分野・非言語分野の研修を続けて います。
キャリアカウンセラーを増員し、支援体制を充実しています
さらに昨今の経済状況を鑑みて大学の就職支援の現場にキャリアカウンセラーを追加配置する文部科学省の施策に応募し、幸い採択を受けることができました。2010年11月より新たにキャリアカウンセラーを配して、きめ細かくかつ、Face to Faceで就職支援する態勢の充実を図っています。キャリアカウンセラーの増員により、学生一人ひとりの就業意識の明確化に資することにより、厳しい経済情勢の中、困難な状況に向き合わざるを得ない学生のメンタル面にも配慮した就職活動支援の充実が期待されます。
事業の成果 〔平成22(2010)年度〕
- 戦略的就職支援システム(ジョブハンター)」により、学生の就職活動状況をスタッフが共有して、より早くより適切な就職支援サービスが提供できるため、厳 しさが増す状況で、学生の就職活動をより力強く支援できるようになりました。従来は4システム(大学基幹システム、ウェブ教育システム、学内ウェブメー ル、携帯電話情報サービス)で運用していた学生サービスが、当システムで一元化され、情報提供が迅速化されました。また、業務省力化で新たに生み出される 時間を学生のカウンセリングに向けることが可能となり、個々の学生の就職活動進捗を、面談する中で確認できるなど、学生・スタッフ間の双方向コミュニケー ションが向上に寄与しています。また、その面談や指導の際に携帯可能な小型プロジェクターの整備により、場所を選ばす学生に映像を用いて説明することがで きるようになりました。
- 大学生、短期大学生の低学年次学生が、将来の職業について具体的に知り、考える契機とすることを目的に卒業生、企業の人事担当者などを幅広く招請した「しごとセミナー」を実施。参加した学生の就業意識を醸成する機会となりました。
- 就職試験準備のための「就職支援特別セミナー」を開催。 就職試験に係わる言語分野・非言語分野・文章表現力について、在学中に培った力を応用できる機会を提供することができました。
- 本取組を活用し、年度後半の11月からキャリアカウンセラーを2名増員して配したことにより、面談や指導の機会の充実が可能となり、学生一人ひとりの就業 意識の明確化に寄与しました。成果は、内定率の推移にも現れています。キャリアカウンセラー増員前の10月末現在の内定率は、昨年度に比して13ポイント 下回っていましたが、3月末の内定率では逆に7ポイント以上上回るという結果となり、明らかな成果を示しています。
- また、臨時のカウンセラーの派遣を得て、文系の本学学生が苦手な非言語分野を主とした演習を12月と1月に開催したことにより、当該領域の内容の理解を進 めるという直接的な成果と併せ、準備する方法を知ることで、学生の不安を排することにもつながりました。関係の教材も充実し、本学スタッフ及び増員したカ ウンセラーも含めた演習の事後指導の態勢を整ったことにより、また、ガイダンス、支援勉強会等を学内のいかなる場所でも実施可能とする携帯可能な音声環境 を整備した結果、よりきめの細かな指導体制を整えることができました。
- さらにこのたびのキャリアカウンセラー増員による指導体制の充実によって、検討、準備のゆとりが生まれ、一般企業とは異なる進路を志望する学生指導の拡充 を実施に移すことが可能となったため、教員を含む公務員への就業を支援する関係資料の充実と併せて、教員を含む公務員への就業を支援する関係資料を活用し た学内での就業支援の取り組み等を始めることができました。
事業の内容 〔平成23(2011)年度〕
- 新システムの本格稼働で、就職関連情報を個々の学生のニーズに応じて速やかに提供し、また一人ひとりの学生の就職活動を把握するなど、きめが細かくかつスピーディなサポートを実現します。
- 主に大学1・2年生を対象に「しごとセミナー」を開催し、公務員、国際関係機関、エアライン業界、マスメディアなどの職業について紹介するとともに、将来の就職活動に備えて「自分を知る」ことを目的として自己分析セミナーを実施します。
- 大学3・4年次、短大1・2年次を対象に「就職支援特別セミナー」を開催し、在学中に培った知識・技能を就職活動における採用試験および就業後の業務において応用することができるよう言語分野・非言語分野・文章表現等の特別研修を行います。
- 短期大学1年生を主な対象として「就活準備セミナー」を開催し、地方公務員、警察、エアライン業界、アパレル化粧品業界などの職業について紹介するとともにWebテストの理解、自己分析や社会人としてのマナー等に係るプログラムを実施します。
- 前年度に引き続いて、追加的キャリアカウンセラーを配し、きめ細かくかつ、Face to Faceで就職支援する態勢を充実させて、学生一人ひとりの就業意識の明確化に資することにより、厳しい経済情勢の中、困難な状況に向き合わざるを得ない学生のメンタル面にも配慮した就職活動支援を実施します。
事業の成果 〔平成23(2011)年度〕
- 「戦略的就職支援システム(ジョブハンター)」により、学生の就職活動状況をスタッフが共有して、適切な就職支援サービスが提供できるため、厳しさが増す 状況で、迅速、かつ的確な支援が実現できた。また、従来は大学基幹システム、ウェブ教育システム、学内ウェブメール、携帯電話情報サービスを併用して運用 していた学生サービスが、当システムで一元化され、たとえば、新着の求人情報を入力と同時に対象となる学生のメールに自動的に情報提供され、学生は場所を 選ばず必要な情報にアクセスすることができるようになった。また、学生の面談状況のシステムへの記録の集積によって、従来は手を付けることができなかった 面談の時期的時間的傾向等を分析することができる体制が整った。また、業務省力化で生まれた時間を学生のカウンセリングに向けることができ、個々の学生の 就職活動進捗を面談する中で確認できるなど、学生・スタッフ間の双方向コミュニケーションの向上が実現している。
- 大学生、短期大学生の低学年次学生に向けた「しごとセミナー」や「就活実践セミナー」では、卒業生、企業の人事担当者、コンサルタントなど幅広く招請した講師によって、将来の職業についてより具体的に考えることができる場を提供することができた。
- 「就職支援特別セミナー」の開催により、参加した学生は、就職試験に係わる言語分野・非言語分野・文章表現力について在学中に培った力を自身の中で整理する機会を得て、就職試験および就業後の業務に応用することができるようになった。
- キャリアカウンセラーを引き続き、追加的施策によって雇用することにより、今年度は年度当初の5月から相談態勢の充実が可能となり、個々の学生の就業意識 の明確化に資すことによってたとえば企業とのミスマッチ等の解消を図り、心を落ち着けて就職活動ができる支援が実現した。加えて短期的にサポートするキャ リアカウンセラーの増員も得て、複数の学年の学生が就職活動を並行して行う時期にもカウンセリングマインドをもって丁寧に対話し、個々の能力や適性に気づ かせる、きめ細やかな就職支援を実施することができた。