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教員養成センター

 巻頭エッセイを更新しました
教員養成センター 中面

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教員養成センターは、初等中等教育の教員養成に係る研究開発を行い、大阪女学院大学及び大阪女学院短期大学の教職課程の整備充実を図るとともに、地域の教育力の向上に貢献することを目的とする。

英語教育リレー随想

夏の終わりの学会から
-Content-based teaching(内容重視の英語授業)の落とし穴-  東條 加寿子
 (2016.9.12 up!)

 リオオリンピックとともに8月が終わり、9月に入りました。猛暑はまだ続いていますが、不思議なことに、9月に入ると空気のどこかに秋が感じられるようになります。北は北海道、札幌の空気であればなおさらです。そんな9月のはじめに参加した学会から、英語教育に対する示唆を拾い上げてみたいと思います。
参加した学会は大学英語教育学会。大学における英語教育が主領域ですが、常に英語教育の本質にかかわる多くの議論が繰り広げられます。特に今年は、次期学習指導要領を視野に、小学校から大学までの英語教育を「アクティブ・ラーニング」が席巻している感がありました。OECDが世界41の国と地域に対して実施しているPISA(生徒の学習達成度テスト)で日本は読解力、数学的リテラシーおよび科学的リテラシーについていずれもトップレベルにある一方で、高校生の英語力については、CERF(ヨーロッパ共通参照枠)のAレベル程度と言われています。ちなみに、CEFRでは英語運用能力を大きくA(基礎段階の言語使用者)、B(自立した言語使用者)、C(熟達した言語使用者)の三レベル群に分け、さらにそれぞれの段階を2つに細分化して、A1、A2、B1、B2、C1、C2の6レベルに分類しています。欧州では高校・大学で「自立した言語使用者」のBレベルが該当するといわれ、日本のレベルを大きく上回っています。次期学習指導要領がアクティブ・ラーニングを旗印に英語力の向上を目指すものとなっているのはいうまでもありません。
 さて、学会の基調講演では示唆に富むさまざまな提案がなされました。そのうちの一つの講演は語学教育におけるcontent-based teaching(内容重視の語学教育)の妥当性を問い直すものでした。”Language is best learned when integrated with meaningful context.” をどう捉えるべきか。実証的に考察するために、多くの先行研究が紹介されました。語彙や文構造などのmetalinguistic instructionとコンテンツ焦点化との均衡はどうあるべきなのか。文法は明示的(explicit)に教えるべきなのか、伏線として(implicit)学び取らせるのか。文法は教授者が計画的(planned)に教えるべきなのか、コンテンツを学ぶ過程で偶発的(incidental)に学びとるものなのかが検証されました。その結果、学習者の言語能力がある程度のレベルに達していて、meaning(意味) と form(文法) との関連性を理解できることが一つの閾値になることが分かった、との趣旨が述べられました。コンテンツに焦点を当てた英語教育、いわゆる英語で学び、その副産物として英語力をつけるというcontent-based teachingは、学習者のある程度の英語力を前提にしており、学習者がこのレベルに達していない場合には内容重視の英語授業は必ずしも効果をもたらすとは言えないため注意が必要、と解釈できるのではないでしょうか。
 学習者が主体的・能動的に学べるように、同時に英語力が現状より格段にアップするようにと掲げられたアクティブ・ラーニング。Implicitでincidentalな性質を本来的に内包しているアクティブ・ラーニングで確実に教育効果を高めるためには、英語教育研究からの知見をカリキュラム編成や授業計画に反映させることが有用です。

■参考書籍
 松浦弥太郎(2016).『即答力』朝日新聞出版




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活動内容

(業務)
教員養成センターは、次に掲げる業務を行います。

  1. 教職課程のカリキュラムの編成及び研究開発に関すること。
  2. 学生に対する教員免許の取得及び就職についての指導助言に関すること。
  3. 中学校・高等学校教員の英語授業に係る研修支援等に関すること。
  4. 中学校・高等学校の英語授業における教育実践の資料収集や調査研究に関すること。
  5. 中学校・高等学校英語科教員への授業相談や資料提供に関すること。
  6. その他教職課程に係る必要な業務

(研究開発)
教員養成センターは、研究部門として、次に掲げる研究開発を行います。

  1. 中学校・高等学校英語教育の実践的指導法の研究開発
  2. 4年間で即戦力となりうる教員養成の在り方の研究、教職カリキュラム開発
  3. これからの教員に求められる資質能力の調査研究
  4. 教育実践の効果検証方法等の研究開発

研究員メンバー

教員養成センター長
中井弘一
センター担当教員
東條加寿子
中垣芳隆
夫明美
センター担当事務職員
浅田晋太郎
田中礼子

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター
e-mail:ttc@wilmina.ac.jp