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教員養成センターの業務に携わって
- 仲川 浩世
- 更新日:2023年10月28日
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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学に着任して4年目となる。本学の教員養成センターでの業務もコロナ禍からスタートしたため、1年目は全ての行事が開催されたわけではなかった。初年度は、与えられた業務の主旨?も把握せずに携わっているうちに、1年が過ぎた。今考えれば、投げられたボールをバットで打ち返すだけの1年であり、無我夢中だった。そして、2年目からは、教職勉強会の運営、書評・随想執筆、実習生の授業見学、Newsletter 、機関誌発行などに従事するうちに、季節の移り変わりを感じるようになった。
教員養成センターの運営とは、教職課程にて教員免許の取得を希望している学生のサポートとも言えよう。それ以外にも、事務局と教員が連携し、様々な行事や授業の情報共有を行わなければならない。教職課程の科目も、他の授業と同様に、学生個人に対するサポートが求められる。きめ細かな配慮とチーム内の連携が優先される。自分の専門性に最も身近な業務であり、それゆえ、オリジナルの授業内容や提案した企画が勉強会で実施されることには意義を感じている。言い換えれば、その経験を通して、教員としても新たな気づきが得られた。
これまでの教員人生では、周りから知識や何らかのスキルを与えてもらうことが中心となっていた。一方、教員養成センターの業務は、自分の経験を還元することで成り立っている。いわゆる、インプットをアウトプットしているとも言えよう。
上記で述べた点は、業務全てにおいて当てはまることだが、その代表例が英語科教育法1-2の授業である。2023年度秋学期からは、教材開発研究会での経験を活かして、履修者にオリジナル教材を作成してもらうこととした。試行錯誤して作成した教材ではあっても、実際に授業で使用してみると、対象学生の習熟度に相応しい場合もあれば、そうではない場合もある。それも実際に教材を自分で作成し、初めて気づくことであろう。
ぜひとも、授業を通して作成した教材を実習に持参して欲しいものである。まだ、秋学期が始まっただけではあるが、履修者の独創性が教材開発・改作を通して、授業に反映されることを知ってもらいたい。そして、将来履修者が英語教員として教壇に立つ際に、本授業で学んだノウハウを活用し、楽しんで指導してもらいたい。
英語教育リレー随想バックナンバー
2023年
- 第142号(12・1月)
- 第141号(10・11月)教員養成センターの業務に携わって(仲川浩世)
- 第140号(8・9月)やっぱり実践的な英語力は不可欠!(松尾徹)
- 第139号(6・7月)英語教授法について(山本淳子)
- 第138号(4・5月)多様性のあるクラスルーム(大塚朝美)
2022年
- 第137号(2・3月)教員のキャリア発達のもとは?(森均)
- 第136号(12・1月)メタバースが私たちの生活にもたらす影響(松尾徹)
- 第135号(10・11月)英語教員のつぶやき:研究会活動から学んだこと(仲川浩世)
- 第134号(8・9月)急がれる部活動の地域移行(富永誠)
- 第133号(6・7月)ある大学一年生との出会い(山本淳子)
- 第132号(4・5月)教育現場のインターンシップ(大塚朝美)
2021年
- 第131号(2・3月)2つの教職関連科目を担当して思うこと(松尾徹)
- 第130号(12・1月)夢のある仕事?(森 均)
- 第129号(10・11月)紅葉の時期が来れば(仲川浩世)
- 第128号(8・9月)パワポの功罪(山本淳子)
- 第127号(6・7月)オンライン授業に思うあれこれ(大塚朝美)
- 第126号(4・5月)Nā haliʻa aloha ma Ka Haka ‘Ula o Ke‘elikōlani (The cherished memories in Ka Haka ‘Ula o Ke‘elikōlani)(夫明美)
2020年
- 第125号(March)Souvenir は本当に「おみやげ」なのか?(松尾徹)
- 第124号(February) 産業用半導体メーカーにて-去っていく若手社員達(森均)
- 第123号(January) 高校入試に「英語スピーキングテスト」(中垣芳隆)
- 第122号(December) 明日は明日の風が吹く(仲川浩世)
- 第121号(November) 英語教育における機械翻訳の役割(山本淳子)
- 第120号(October)オンラインで発音学習(大塚朝美)
2019年
- 第119号(February)産業用半導体メーカーにて-改善提案システムの経験(森均)
- 第118号(January)若者の意識調査(中垣芳隆)
- 第117号(December)英語で講義をするということ(東條加寿子)
- 第116号(November)22歳の決断(山本淳子)
- 第115号(October)harmonyとtolerance(福島知津子)
- 第114号(September)教員免許更新講習会を担当して(松尾徹)
- 第113号(August)言葉を駆使する文化(大塚朝美)
- 第112号(July)人の静寂を邪魔しない(夫明美)
- 第111号(June)実践の推進力を得た大学院時代(森均)
- 第110号(May)忘れえぬ言葉(中垣芳隆)
- 第109号(April)区切りの新年度にむけて(東條加寿子)
2018年
- 第108号(March)5つの卒業式に思う(大塚朝美)
- 第107号(Feburary)やってみなはれ(夫明美)
- 第106号(January)私の教育実習・・・指導担当は教頭先生!?(森 均)
- 第105号(December)高校生のための学びの基礎診断(中垣芳隆)
- 第104号(November)東京オリンピック・パラリンピックと英語教育改革(東條加寿子)
- 第103号(October)グループ学習と協同学習は同じではない(松尾徹)
- 第102号(September)8月6日は忘れられてしまうのか(福島知津子)
- 第101号(August)ペア学習の意義(大塚 朝美)
- 第100号 (July)ことばは生きている3(夫 明美)
- 第99号 (June)国家資格取得に熱中した大学時代・・・思わぬ恩恵 (森均)
- 第98号 (May)ムーミン (中垣芳隆)
- 第97号 (April)『君たちはどう生きるか』によせて (東條加寿子)
2017年
- 第九十六号(March)異文化を理解する?しようとする? (福島知津子)
- 第九十五号(February) 大人の発音学習 (大塚朝美)
- 第九十四号(December) 現在の状態が続くと思わない方がいい?(森)
- 第九十三号(November) Education(中垣)
- 第九十二号(October)気がかりなCEFR(東條)
- 第九十一号(September)8月31日の夜に(福島)
- 第九十号(August)教員免許状更新講習を終えて(大塚)
- 第八十九号(July)複数の方策を同時に(森)
- 第八十八号(June)教育勅語について一考(中垣)
- 第八十七号(April & May)新年度を迎えて:変革期の英語教育 一考(東條)
2016年
- 第八十六号(March)何のための英語教育かを問い続けよう:英語教育の未来(中井)
- 第八十五号(February)教育の無償化について」( 中垣)
- 第八十四号(January)語られはじめた「グローバリズム以後の世界」( 東條)
- 第八十三号(December)師に教わりしことをこころに灯し続け(中井)
- 第八十二号(November)国際理解・異文化理解‐「教職実践演習」のヒトコマ(夫)
- 第八十一号(October)チーム学校を支える教育相談の方策 (中垣)
- 第八十号(September)夏の終わりの学会から Content-based teaching(内容重視の英語授業)の落とし穴 (東條)
- 第七十九号(August) これからの時代に求められる即答力(中井)
- 第七十八号(July) 教育実習を終えた学生の成長(夫)
- 第七十七号(June) 古くて新しい話題「部活顧問」(中垣)
- 第七十六号(May) All in English クラスのダイナミクス(東條)
- 第七十五号(April) 「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」の問いかけに(中井)
- 第七十四号(March) 無駄をそぎ落とす(夫)
- 第七十三号(February) 頑張れ 街の本屋さん(中垣)
- 第七十二号(January) ニッポンのジレンマ(東條)
2015年
- 第七十一号(December) 日英ことわざ文化散歩(中井)
- 第七十号(November) 教材研究:実践演習のヒトコマ(夫)
- 第六十九号(October) 選挙年齢の引き下げ(中垣)
- 第六十八号(September) 主体なき謝罪(東條)
- 第六十七号(August) 「英語の世紀」に生きる:親英語 vs. 反英語(中井)
- 第六十六号(July) オンライン辞書作成に関わって(夫)
- 第六十五号(June) 出発した教育委員会改革(中垣)
- 第六十四号(May) 大事なものは見えにくい(東條)
- 第六十三号(April) アクティブ・ラーニングは思考を活性化する救世主か!?(中井)
- 第六十二号(March) Honoring our heritage, Embracing our diversity, and Sharing our future(夫)
- 第六十一号(February) 読書離れとスマホ(中垣)
- 第六十号(January) マララ・ユスフザイさん ―国連演説からノーベル平和賞受賞演説へ―(東條)
2014年
- 第五十九号(December) 「時代の風」—未来圏から吹く風(中井)
- 第五十八号(November) 「外国語活動」から「教科」へに思う(中垣)
- 第五十七号(October) 大阪府における英語教育の方針:時事ニュースより(夫)
- 第五十六号(September) No Worry(東條)
- 第五十五号(August) 「心の振幅」-興味、関心の扉を開く英語(中井)
- 第五十四号(July) 花道(夫)
- 第五十三号(June) 最近の新聞記事から(中垣)
- 第五十二号(May) ネイティブ教員との協働に学ぶ(東條)
- 第五十一号(April) グローバル化時代のパラドックス(中井)
- 第五十号(March) Lawe i ka ma’alea a kū’ono’ono(夫)
- 第四十九号(February) ある日の授業から(中垣)
- 第四十八号(January) 量的世界の中の質的存在(東條)
2013年
- 第四十七号(December) 授業のイノベーション:TED Talksの教えーStart with Why (中井)
- 第四十六号(November) ことばは生きている2 (夫)
- 第四十五号(October) 学校5日制の下での土曜授業推進の一考察 (中垣)
- 第四十四号(September) 教育再生実行会議に対する学会からの提言:「京都アピール(仮称)」の意義 (東條)
- 第四十三号(August) 勉強会「英語の教え方教室」と「学び続ける教師」(中井)
- 第四十二号(July) 「聞く」と「聴く」(夫)
- 第四十一号(June) Quo Vadis(中垣)
- 第四十号(May) 「大学入試にTOEFL導入」論に思う(東條)
- 第三十九号(April) 教育未来図(中井)
- 第三十八号(March) 新学期とand so onについて(寺)
- 第三十七号(February) E hana mua a pa`a ke kahua mamua o ke a`o ana aku ia ha`i(夫)
- 第三十六号(January) 新年一考:知の伝承を忘れかけた学校(東條)
2012年
- 第三十五号(December) 正論はいつも正しいか(中井)
- 第三十四号(November) ザ・厄介な英単語(寺)
- 第三十三号(October) 組織のリーダーを考える(中垣)
- 第三十二号(September) E lauhoe mai na wa‛a (Everybody paddle the canoes together)(夫)
- 第三十一号(August) (続)言語活動の潮流を読む:英語プレゼンテーション(東條)
- 第三十号(July) 席巻するCAN-DOリストについての一考 —グローバル人材育成が求められる中で—(中井)
- 第二十九号(June) 英語学習における「Google革命」?(寺)
- 第二十八号(May) 連休のまとめ(中垣)
- 第二十七号(April) Seeking for knowledge and wisdom(夫)
- 第二十六号(March) 韓国の英語教育に学ぶ(東條)
- 第二十五号(February) 大阪女学院大学「教職課程」から教職専修としてさらなる充実をめざします(中井)
- 第二十四号(January) 思いやりの広がり(中垣)
2011年
- 第二十三号(December) 絆 2011 (夫)
- 第二十二号(November) 人、言葉、英語 ―スティーブ・ジョブズ追悼― (東條)
- 第二十一号(October) 来年度教職Field Study訪問予定 英国Manor Church of England Schoolを訪ねて (中井)
- 第二十号(September) 大阪の残暑はこれから(中垣)
- 第十九号(August) Stand with grace, pride, and modesty(夫)
- 第十八号(July) Crisis in Japan, Crisis in Communication(東條)
- 第十七号(June) 第5回学習指導基本調査にみる中学校・高等学校での学習指導(中井)
- 第十六号(May) 心の中の神々(中垣)
- 第十五号(April) 間違いを恐れない覚悟(夫)
- 第十四号(March) ヨーロッパの言語事情(東條)
- 第十三号(February) 大阪女学院大学「教職課程」産声をあげてから1歳に(中井)
- 第十二号(January) 恩送り(中垣)
2010年
- 第十一号(December) 「絆」(夫)
- 第十号(November) 「若者よ、海外に出よ」(東條)
- 第九号(October) 朝日新聞連載「これでいいのか学校英語」に思う(中井)
- 第八号(September) 心に沁みる「ことば」(中垣)
- 第七号(August) 大舞台を経験することと、さらに大きな目標へ向けて準備すること(夫)
- 第六号(July) 英語力の構造を考える(東條)
- 第五号(June) 教員免許制度の見直しと教員の資質向上(中井)
- 第四号(May) 書棚の宝物(中垣)
- 第三号(April) 外国語学習における語彙学習(夫)
- 第二号(February) 世界を読み解く英語の力(東條)
- 第一号(January) デザイン力の大切さ(中井)